『安売りをしてはいけない』
思いついたときにしか発行されないメルマガを読んでくださってありがとうございます(笑)
あるフリーで仕事をしている人と話をしていてつくづく「安売りはしちゃいけないよね」と思い知りました。
自分が納得できるスケジュールと金額で仕事を引き受けないと、精神衛生上、ものすごくしんどくなりますね。
それがたとえ好きな仕事であったとしても、無理な注文を受けることによって全然楽しめなくなってしまいます。
例えば、その方はこんな体験を話してくれました。
この間引き受けた仕事は納期も金額も納得できるものになるはずでした。
しかし、打ち合わせを重ねるうちに、納期が一気に半分になってしまったそうです。
しかも、報酬は経費込みの金額だったそうで、利益は3割ほど減ってしまうことになり、一気にやる気が減少。
でも、以前からの付き合いだし、ということでその仕事を引き受けることにしたのですが、全然乗り気になれなかったそうです。
しかも、納期が短縮されたお陰で別の仕事にしわ寄せが行くのはもちろん、当初取る予定だった休暇も潰すことになり、家族にはぶーぶー文句を言われる始末。
彼はしみじみと「これって自分を安売りしたってことになるんだよね」と言いながらグラスを傾けていました。
でも、多くの人は仕事をもらえるだけでありがたいと思い、依頼された仕事はなるべく引き受けようとしてしまうもの。
断るって選択肢も浮かびますが、そうすると次はない、との脅迫観念から引き受けてしまうんですよね。
私もよく経験することですから大いに頷いてしまいます。
このケース、人に嫌われたくないいい人に顕著で、かつ、自信のない人はどうしてもやってしまうパターンです。
頭では分かっているんですけど、、、、ね。
フリーで仕事されてる方や経営者の方はそんな思いを体験されていると思うのですが、そこは勇気をもってNoと言いたいですよね。
「どうしたらそういうことができるんだろう?」と見るからに人のいい彼は悩んでました。
カウンセリングじゃない場なので私もあくまで参考意見なんだけどね、とこんな話をさせてもらいました。
「結局のところ、自己価値、自己評価を高めることしかできないんだよね。誰に何て言われようと自分の価値をちゃんと自分が評価してあげないと安売りするし、安請け合いしちゃうもんだよね。特に好きな仕事の場合って注意しないと危ないと思うんだよね」
私も「期限までに○○個の記事を書くように」とスケジュールに追いまくられて「なんでこんな作業をしなきゃいけないんだ」と思ってやった経験もありますし、「本を書く」という喉から手が出るほどうれしい依頼だったので無理して頑張りすぎたこともあります。
そういうわがままは売れっ子になってから、というのは詭弁で、やはり自分で自分の価値を決められるフリーの仕事の場合は特に注意したいところだと思いました。
売れる前から安売りしない、という姿勢でいることが大事なんですよね。
私もようやくそれに気付きまして(かなり時間がかかりましたが)、最近は仕事を選ぶようになりました。
お断りすることも増えましたし、やりたいと思ったら金額に関係なく引き受けることにしました。
また今書いている本にしても、締め切りに追われてることは確かですが、意外と余裕を持って執筆をしています。
「楽しい気分で書かなければいい本にならない」との信念を得たものですから。
「安売りをしない」という意識を持つだけで、仕事にピリッとした緊張感を持たせられますし、とても役立つことなんじゃないかな、と思った次第です。