『体験したことのない内容を相談されたときってどうしますか?』
例えば、不倫の経験がないのに不倫の相談をされる、浮気されたことがないけれど浮気夫の相談が来る、職場の人間関係で問題を感じたことがないのにそんな相談される・・・皆さんはそんな体験ありませんか?
カウンセラーだから、と自分自身は体験したことのない話をいっぱいされることが少なからずあります。
皆さんはそんなときどうしていますか?
私はカウンセラーとしてデビューしたのは20代の時でした。
婚活もしたことないし、そもそも結婚したばかりで浮気もしていないし、セックスレスでもなかったですし、かつ、職場の人間関係もまあまあうまくやっていました。
不倫は魅力的なコンテンツでしたけど(笑)未経験ですし、そもそも自分は男なので、そんな女子の気持ち、なかなかわかりませんでした。
恋愛相談にしても、私は肉食系であり、かつ、ずーっと彼女が途切れずにいたので、「好きな人ができない」って言われても「???」でしたし、「彼氏欲しいけれど出会いがない」という気持ちがすぐには理解できませんでした。
要するに、単なる若造で、何ら社会経験を積んでいないカウンセラーだったんです。
だから、どうしたか?
「徹底的に質問して聴く」です。
当時も今も、私のクライアントさんは選りすぐりの武闘派が多く、生半可なことを言うと即、半殺しにされます。
「え?根本さん、ほんとうに分かってるんですか?」
「30過ぎて独身の女子の気持ちって分かるんですか?」
「不倫の彼から連絡が来ない気持ち、どうしてわかるって言えるんですか?」
そんな返しが目に見えて聞こえてくるわけです。
だから、「聴く」んです。
いっぱい質問しました。
どんな気持ちなんでしょうか?
どうしたいんでしょうか?
何が不満なのでしょうか?
どうなったらいいんでしょうか?
その中で「自分に何ができるのか?」を見つめて行く時期が長らく続きました。
そうした中で私が得た教訓は
「知らないことは知らないと言う。教えてください、と頼む」
「それで電話を切られたらしょうがないと開き直る」
「質問をして、共感をする」
「相手の価値を見る。素晴らしさを見つけて伝える」
「相手を承認する言葉をできるだけ連呼する」
「私は、というアイメッセージを徹底する」
「相手を尊重した言葉遣いをする」
などなど。
他にもいっぱいあると思います。中でも大きいのは、
「相手に質問をされるまでは自分の意見を言わない」
ということです。
だから、こういう話をよく聞くようになりました。
「根本さんってブログでは長い文章書くし、セミナーではいっぱいしゃべるのに、カウンセリングの時は大人しいんですね」
(笑)
確信が持てないことはしゃべらないってことです。
だから、カウンセリング、特に初めての方とお話しするときは情報収集に努め、ほとんど何もしゃべらずに終わるときもありました。
それも後々はブログやメルマガを読んでくださるお客様から「どうしたらいいのか教えてほしい」「根本さんなりの意見を教えてほしい」という声を事前に聞くようになったのですが、それでもはっきりと責任が持てる内容を伝えられるまでは無口な男です。
不器用なもんで・・・。
渋いでしょ???(笑)
そういう経験を通じていろんな方のお話をただただ“情報収集”みたいな感じで聴いていると、いろいろと分かってくるんです。
だから、ブログには書いていないですけど、自分が体験したことない男女関係はもちろん、「医療業界の裏側」とか「公務員の苦悩」とか「看護師が最強の職業」とか「旧家に生まれた長女の葛藤」などを知ることができたんです。
「根本さん、よく知ってますねえ~」
っておっしゃっていただけるようになりました。
だから、自分が知らない世界の話はとにかく聞け!という法則を学んだような気がします。
そして、責任の持てない話はしない!という覚悟が決まりました。
私がカウンセラーとして大事にしていることは突き詰めるとそれなんです。
知らなければ教えてもらえばいいのです。
それにはちょっとの勇気さえあればできることと思うのですが。