『どの層まで掘り下げることができるかどうか?』
お客様によって対応を変えたりしていますか?
例えば、緊張しぃなお客様にはできるだけこちらがたくさん話すようにする、とか、おしゃべりな方は話題がズレないようにサポートしながら聞き役に徹する、とか。
また、問題の掘り下げ方も相手によって少々の工夫があるといいかな、と思うんです。
実際、先日あったカウンセリングの例をちょっと紹介しましょう。
「人との距離感が分からない」というご相談でした。
「具体的にどんな状況なの?」って話をしていくと、あれこれと出来事を交えてお話してくださったんですね。
けっこうお話が上手な方なので、できるだけこちらは質問をするように意識しました。
話をしてすぐに「これは家族の問題だなあ。お母さんとかとの関係に原因がありそうだな」と思ったんですが、すぐにはその話題に触れず、しばらく職場のこと、恋愛のことを聞いておりました。
で、ちょっとネタが尽きてきたかな?と思われた頃に「お母さんってどんな人なの?」って質問をしてみたんですね。
「やっぱりそうですか~」と予想していた彼女はヒステリックで過干渉なお母さんの話をし始めました。
で、ここからがポイントなんですね。
心の層ってのがあります。今度月に1回各地でやってる心理学講座(「愛するって何ぞや」)でもお話しします。(宣伝ですよ~)
いい人
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悪い人
―――――――
正しさ(ルール)
―――――――
痛み・傷
―――――――
愛・親密感
で、カウンセリングって単純に「痛み・傷」の層の話になることが多いわけです。
もちろん始めは「いい人」から始まって、実は・・・で裏の話になり、「私は悪くない」という正しさの話になってから、ってこともありますけど、カウンセリングを受けようって段階で「痛み・傷」の話であることは間違いないわけです。
この「お母さんに愛されなかった」という点で見ると「痛み・傷」の層です。
そこで傷ついていることは間違いないので、その傷を癒してあげる、流してあげる、という方向でカウンセリングを進めて行きます。
でも、それがゴールなわけでなく、その下の「愛・親密感」の層に意識を向けることが何よりも大事だと思っています。
つまり「お母さんを助けたかった」「お母さんを愛していた」という層です。
もちろん、「お母さんなりにあなたを愛していた」ということを受け取ることもこの層でのミッションです。
この愛の層まで来て初めて「許し」ができるわけです。
しかし、これ、いきなり言うても伝わりませんよね?
痛みが強い場合に「愛があった」なんて言われてもピンと来ません。
だから、これを言うべきかどうか?はカウンセラーとして悩むところです。
セミナーとかの場合は周りに複数の人がいるので、いきなり愛の層の話ができます。
でも、1対1の場合、なかなか受け入れられないことも多いのです。
痛みをもっと解放してからの方がいいのか?
それとももう愛の話の方がいいのか?
あれこれ様子を伺いながら、です。
でも、今回のクライアントさんは以前別のカウンセリングを受けていたことでもあるし、ブログを熟読してくれているので、準備はできていたようです。
お母さんを助けたかったんですよね~というお話をしていきました。
愛と繋がると、人は大きく変わります。
表情も雰囲気・空気も、そして、思いも。
でもまあ、その時は理解できても、カウンセリングが終わった後は「???」ってなっちゃうことも多いですけどね。
だから、宿題を出したり、ブログを読んだりしてもらってフォローに充てています。
どの層で話をしようか???
愛の層までいけるかどうか??
これが私がカウンセリング中に意識しているところなのです。