『根本のセミナーの作り方~感情を上げて、下げて、また、上げる~』
始めて人前で心理学のセミナーをしたのは1999年くらいだったかと思います。
当時、参加していた神戸メンタルサービスに受講生同士でペアを組んで2時間のワークをする、というカリキュラムがあり、奥さんと一緒に開催したのが初めてでした。
その後、仲間たちと「2時間講座(ワークショップ)を作るチーム」を結成して、それこそ数十本~100本くらいは仲間たちと一緒に2時間ワークを作りました。
そのときは「始めの挨拶で、この講座の趣旨を10分で説明して、その後、最初に簡単なワークをして・・・」と細かいタイムスケジュールまで決め、もちろん、どんなことを話すのかまで作り込んでいました。
始めの頃は緊張しますから、何をしゃべるかを全部原稿に落として、そのリハまでやっていたと思います。
その後、実際にお客さんを前に講座をさせてもらうことになりました。
受講生の立場でありながら会社の有料講座を担当させてもらったんですね。
でも、そこで1回、挫折を味わいます。内容がまだまだ拙く、その企画は半年くらいで打ち切りとなったんです。
とても悔しかったのですが、逆にその経験がスイッチを入れてくれたように思います。
その後は講師になったので2時間~2日間のセミナーを担当するようになっていきました。
そして、今でも一番好きな仕事は「セミナー」です。
そんな作り込みの経験があるので、今はセミナーを作ること自体はとても楽になりました。
ブログと同じで、始めは何時間もかけて作っていたのが、慣れて要領が分かってきたので、どんな実習をすればいいのか?このタイミングでどんな話をすればいいのか?というタイムスケジュールがだいたい把握できるからです。
そうすると内容により集中できますから、10年前に比べたらずっと質の高いセミナーを作れるようになったと思っています。
うちの師匠はこんなことを言ってました。
「2時間のセミナーを完璧に作れるようになったら、2日でも10日でもセミナーは作れる。2時間が一番難しいんや」
でも、実際、その通りなんですよね。
2時間のセミナーはごまかしがきかない、というか、コケたらそのまま沈んで行くイメージがあります。
私のセミナーは師匠譲りで、上げて、下げて、という感情を動かすことを実習を通じてやっていきます。
上げる、というのは「笑い」であり「楽しみ」であり「喜び」です。
下げる、というのは「泣き」であり「罪悪感」であり「痛み」です。
なぜ、上げて下げるのかというと、それだけセミナーの内容が落とし込みやすいと思うから。
笑うと緊張が解れ、ハートが開きます。
そのあと、内観的な実習をすると、すーっと自分の内面を見られます。
そこで、罪悪感に触れたり、痛みに触れたりして、時には涙が出ます。
そのまま終わると大変ですよね?(笑)
そして、その後、愛と繋がる実習をしたり、再び笑いを採り入れることで上げて、「ああ、楽しかった。面白かった。癒された」って体験をお持ち帰りいただくんです。
セミナーに限らないですが、私たちは感情が動いた分だけ、そのできごとを深く記憶します。
感情と記憶は繋がっているからです。
だから、どれだけ素晴らしい内容だったとしても淡々と進行してしまうと印象に残らない=セミナーの内容が伝わらない=定着しない、ということになるのです。
だから、人気講師というのはこの感情の扱いが上手い人だと私は思っています。
実は私、そもそもそんな笑いに生きる人ではなかったので、とても苦手でした。
笑いがないと、泣きもなかなか起こせないので、それがコンプレックスだった時代もあります。
しかも、ベースを大阪にしてる、ということは笑いは必須です。
真面目なテーマでセミナーをしていても笑いがないとクレームが来る土地です(笑)
#ただし、大阪以外にお住いの方が大阪でセミナーをする場合は、そこまで笑いを求めることはないようですので、ご安心下さい。ずるいよね(笑)
でも、これ、カウンセリングでも同じなんですよね。
カウンセリングって1対1のセミナーですから。
しかも、予め内容を準備しないセミナーです。
せっかく来て頂いたのだから喜んで帰っていただきたい・・・そういう思いから私はそんな風にセミナーを作っているのです。