『カウンセラーが気を付けなければならないこと~投影の罠~』
ここ3日間、投影を使った心理分析についてご紹介して来ました。
特に昨日の記事などは分かりやすいのですが、投影について考えたとき、あれ??と思うこと、ありませんでした??
「カウンセラーもクライアントに誰かを投影している」
昨日の記事で「クライアントさん(奥さん)が彼女に自分自身を投影している」ように、カウンセラーもクライアントさんに自分自身やその他誰かを投影していることは避けようにもない事実です。
カウンセラーだから投影は起こらないなんてことはないんですね。
むしろ、カウンセラーだからバンバン起こります。
だってそれだけ深く人と関わってきたんだから、カウンセラーの中にはたくさんの人たちのデータが入っているんです。
「ああ、このタイプの人はけっこう感情的になりやすいタイプだよなあ」って過去のクライアントさんを目の前に投影するなんてことは日常茶飯事ですね。
「こういうタイプの人は意外と外見と中身が違うのよね」
「たぶん、この人には何を言っても通じないだろうな」
「けっこう弱そうに見えて、実は頑固っていうか、強いのよね」
そんな風にカウンセラーも無自覚のうちにクライアントさんを判断(ジャッジ)してるものです。
まあ、私もよくやりますよー!!ガンガンやってますよー!!
また、カウンセラーが自分自身をクライアントに投影する場合も少なくないんです。
自分がお母さんと葛藤があり、なかなか許し切れない場合には、それをクライアントに投影して、
「お母さんのこと許したって言ってるけど、ほんとはまだまだなんだよね」
なんて思ってたりします。
さらには、カウンセリングしながらクライアントさんにだんだんむかついてくるんですね。
「何、その、はっきりしない態度!まるでお母さんみたいじゃない!!」
そうお母さんを投影してたんです(笑)
また自分がなかなか恋愛がうまく行かないときには、クライアントさんを応援する立場なのについつい男子をダメ出しして「恋なんてしなくてもいいのよ」って同盟を組みたくなったりもします。
私たちがクライアントさんに対して「この人は○○だ」って思うのも、「きっとこうだと思う」と思うのも、感情を揺さぶられるのも、全部、投影です。
「投影」ってそれに気付けば、投影を取り戻すことができて、まだその人をその人として扱いやすくなります。
それでも何らかの投影は残っているわけですけどね。
だから、カウンセラーさんは「クライアントに自分や誰かを投影するのは当たり前のこと」と思ってやる方がいいでしょう。
これ投影だよね?って分かりながらも伝えることも大事ですし、逆に、投影だと思うことで、よりその人そのものを見ようという意欲は高まります。
そして、この試みが以前お話しした転移・逆転移を防ぐことにもなるのです。
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