『投影を使った心理分析の仕方(3)』

                               

『投影を使った心理分析の仕方(3)』

私のカウンセリングのメインメニューみたいなテーマ「夫の浮気(不倫)」。
最近はお客様が「根本さんにとっては『またか』みたいなテーマかと思うんですが・・・」と気を使ってくれるほどにメジャーなご相談です。

そこでは、旦那が浮気してるけど認めない、とか、開き直ってる、とか、暴言吐いてる、とか、最近急にオシャレになってきた、とか、携帯を持ってお風呂に入ってる、とか、様々な状況を教えて頂けます。

さらには、言わないように我慢してるのが辛い、とか、私も暴言吐いてしまってる、とか、これから先が不安、とか、やっぱり旦那のこと愛してるって気付いた、という奥様側の思いもたくさん聞かせてもらってます。

そんな時、「浮気相手を知ってる」とか「会ったことがある」というケースもよくあるんですね。
一緒の職場の人だったり、勇気を出して会いに行ったり、あるいは、浮気相手が自分の友達だったり、、、。
時にはその相手が水商売の子で、ホームページで写真とかブログとか見ちゃってる場合もあるんですね。

で、そんな時、私は「その女の人ってどんな人なの?」って聞くんです。

私よりずっと若くてかわいい。
きっと素直だと思う。
今時の女の子って感じ。
けっこう計算高い感じだと思う。
なんか必死かも知れない。
パッと見世間知らずのお嬢さま。
あまり不倫とかに縁がなさそうだけど、そういう子に限ってしてるものですよね。
けっこう派手な感じかな。
女を武器に使ってる感じ。
色っぽくて大人びてる。
仕事ができる感じのピリッとした子。
サバサバしてて男っぽい感じ。
いかにも水商売って感じの色気むんむんの子。

別に私は好奇心で聞いてるわけじゃないんですよね。

「ふーん・・・そうなのかあ・・・へえ・・・」と聞いてるんです。
そして、「もっと他にはないの?」とか「どんな子だと思う?」みたいに話を膨らませてるんです。

で、唐突にこんなことを言います。

「で、それってさー、誰のことなん?」

ほとんど場合、「は?」という顔をして「その女のことですけど?」とおっしゃいます。
まあ、当然のことですよね。

でも、投影を知ってる我がブログの読者などは

「え?それってもしかして私のことって言いたいんですか?」

って若干、好戦的な目をして、カバンの中から武器を取り出そうとする人もいます。

「あ、いや、待って!早まらないで!僕、丸腰なんだよ、今!防弾チョッキ忘れて来たんだから!」

と焦るわけです。

絶対に認めたくないですよね。あの女が私!?だなんて。
私は「あの女は私」と言いたいんじゃないんです。正確には。

私は「あの女」を知りません。
私が今聞いてるのは「奥さんを通じてみているあの女」です。

つまり、奥さんフィルターを通った彼女なんですね。

てことは、その奥さんが彼女に見てる要素って・・・・誰の要素なん???という話です。

それは言い方を変えれば「私が本来持っているんだけど諸般の事情で夫に与えられなくなったもの」でもあるんですね。

この要素って自分ではなかなか受け入れられないのですが、そもそも自分にないものは人に見えないわけで、本来の奥さんが素直じゃなかったら、彼女の中に素直さは見えないのです。

そこから私は次のような分析をするんですね。

1.奥さんが本来持っているにもかかわらず夫に与えなかったから夫はその要素を求めて浮気をした。
2.奥さんの本来の姿なので、それを取り戻せば夫の気持ちもこちらを向く。

そもそも「浮気の心理学」の基本は「奥さんが与えてくれなかったものを求めて」なんですね。

その人を通じて見える要素は実は自分の中にある・・・。
投影を知ると、そうした深い心理に向き合えたりするのです。

根本の勉強会では「ケーススタディ」をよくしています。
実際の事例をもとに、自分ならどう分析していくのか?どういう風にカウンセリングを進めていくのか?を学ぶ場なのですが、そこではよくこんな「投影を使った心理分析」もお伝えしています。

この見方を採り入れられると、カウンセリングの視野が広がると思いませんか?

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