『投影を使った心理分析の仕方(2)』
「いつも上司と揉めて会社に居づらくなってしまうんです。それで転職を繰り返してしまうんです。前の会社もはじめはいい感じだったのですが、途中で上司が変わってからおかしくなってしまいました。
今の会社に移ってからは最初から馬の合わない上司で、何かとダメ出しされて仕事に行くのが嫌になってます。どうしたらいいのでしょうか?」
こんなご相談を頂くこと、ありませんか?
「職場の人間関係」の問題なのですが、私はこうしたご相談の際、
「今回がはじめて?それともいつも?」
って聞き方をします。クライアントが「いつも・・・」っておっしゃってくれてるので、今回のケースではその質問は飛ばせますけどね。
「いつも」ということは「パターン」を表します。
同じことを繰り返しているわけです。
それは潜在意識にある「心の傷」が癒されるために同じ環境を作り出している、という見方をするのです。
だから、この場合、上司に問題があるわけではありません。
問題のある上司を引き寄せてるクライアントに問題があるわけです。
問題があるってだけで、このクライアントが悪いわけではありませんよ。
本人も自覚せずにやっちゃってることですからね。
で、「投影」の登場です。
上司に誰を投影してるんだろう???ってことなんです。
一般的に上司は「目上の人」ですから、かつてそのクライアントさんと関係のあった「目上の人」との未消化な感情が浮かび上がって来てる、と見るわけです。
「目上の人」の2大ボスといえば「父」「母」ですね。
だから、私の質問はこうなります。
「上司とうまく行かないっていうけど、その上司は男性?それとも女性?」
もし男性の上司ならば「父」、女性の上司ならば「母」を想定します。
じゃあ、ミックスだった場合は???
父母両方ってケースを想定します。
ただ、一般的に仕事、職場は「父」のシンボルですから若干父優勢ですね。
でも、ここで決め付けるわけにはいかないので、詳細を聞いていくんです。
そう、カウンセラーって聞く人ですからね!(笑)
「お父さん、お母さんとはどんな関係でしたか?」
私の経験ではこれでほとんどの場合、どちらか、もしくは両方の問題であることが多いんですね。
その後の人生で「クラブの顧問とうまくいかなかった」とか「先生と対立してた」というケースも、その原点は両親であることが多いのです。
とすると、「ああ、上司となんでうまく行かないかというと、やはりお父さんとの関係が根っこにあるみたいですね。」という話をすることになります。
そして、お父さんとの関係を話を伺いながら紐解き、そして、そこに溜まっていた未消化な感情を解放していくと、お父さんに対する思いが変わった分だけ、それを投影する上司との関係に変化が訪れるのです。