『カウンセラーって職人だと思うんですよね。』

                               

『カウンセラーって職人だと思うんですよね。』

実は昨日の記事の続きなんです。

私はもともと職人が好きで、故に情熱大陸とかプロフェッションナルなどの番組が大好きですし、食事に行けばカウンターに座って料理人の手元をじーっと見つめて、あれやこれやと質問して話をするのが好きなタイプです。

「根本さんってほんと個性的な店が好きですよね」と言われるゆえんです。

それゆえに、自分も職人に憧れますし、カウンセラーもきっとそういう職業だ!とどこかで思っている節があります。

カウンセラーとは?てのはいろんな解釈ができ、そして、その人それぞれの長所を生かす仕事だと思うので、「根本自身、職人が好きだから、そういう風に見てるんだろ?」って読み方をしてもらえれば幸いです。

カウンセラー、10年続いて一人前、と私が思っているのもそのせいです。

職人て、実は不器用じゃないとできないんですね。
意外でしょう?

とある大工さんの業界なんですけど、器用な奴はなんでもそこそこにこなすからすぐにマスターしてしまうんだそうです。
ところが、それは何十年って経験積んだ人から見るとまだまだなんだけど、ある程度できてしまうのでそれ以上伸びにくいんだそうです。
しかも、器用な分、他の仕事もそれなりにこなしてしまうので、辛い修行に耐え切れずに辞めてしまう人が多いそうです。

ところが、不器用な奴ってのは何年やってもまだまだダメで、使い物にならないそうです。
ところが、そういう奴はほかのことをやらせても同じなので大工という仕事にしがみつくほかないんですね。
だから、叩かれても、ダメ出しされても、必死にこなしていくんです。
ものすごく成長曲線は緩いんです。

ところが、そんな不器用な奴が5年10年と続けていくうちに、少しずつものになってきます。
年数を重ねた分だけ、その経験が確実に実となっているんです。
そうして、一流の職人になっていくんだそうです。
だから、一流と呼ばれる人は実はもともと落ちこぼれという人ばかりだそうなんですね。

そんな話を料理人にしたり、バーテンさんにしたりしていると、「ああ、うちの業界も同じですね。というか、私もほんとそうなんです。不器用で落ちこぼれでした」なんて教えて下さるんです。(もちろん謙遜も入っているでしょうけれど)

だから、うまく文章が書けなくても、うまくカウンセリングが出来なくても、へたくそなセミナーしかできなくても、それが好きで、それしかないって思いで続けていくと、やがてほかの誰もが到達できなかった領域に達することができると思っています。

私の周りにもそんな人がいて、カウンセラーとして今は一流なんだけど、元々は全然人とコミュニケーションが取れなかった奴もいるんです。

要するに、今はダメでも続ければ何とかなる、のが職人の世界で、むしろ、不器用な分、長い目で見れば成功確率が高いと言えるんじゃないでしょうか。

私も師匠の一人に「お前は器用そうに見えるけど、実は融通が利かないところがあるから、よそ見をせずにこの仕事を続けるのが一番いい」って言われて、嬉しいんだか何だか微妙な気持ちになったことがありましたね。

もし、カウンセラーという仕事が好きで、人が幸せになっていくのを応援するのが好きだったら、この仕事に向いてます。
だから、その好きを大事にして、成果はあまりこだわらずにまい進していってほしいと、後輩たちにはいつも思っているのです。

以前も書いたことありますけれど、16年やってる割にへたくそだなあ、と思うこと、未だによくあります。
さっさと成功していく人たちに嫉妬することもありますし、なんで自分はこんななんだろう、と思うこともあるんですよね。
でも、その時に師匠の言葉や、職人が好きだ!という思い、そして、もちろん、カウンセリングやセラピーや心理学が好き!という気持ちで今日もまたブログを書いて、カウンセリングをして、セミナーをしているんですね。

パッと出て、サクッと成功したり、グーンと伸びていく人もいますが、そこでひるまずに、ほんと長い目で付き合ってほしい仕事だと私は思っているんです。

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