『カウンセラーが陥りやすい罠~癒着~』

カウンセリングを終えた後、妙に気になるあの子っていませんか?
「大丈夫かなあ。ちゃんとやれてるかなあ?」
「宿題忘れずに続けてくれてるかなあ?」
「だいぶしんどそうだったけど、少しはましになったかなあ?」
「旦那さんとケンカせずにやれてるかなあ?」
「今日はちゃんとお仕事行けたかなあ?」

そんな風にふと思い出して「どうしてるかなあ?」って思うのはその人があなたにとって大切なクライアントさんであることを示しています。

でも、時にカウンセラーとクライアントは距離感を踏みたがえてしまうこともあるでしょう。

クライアントさんに「大丈夫?」て電話やメールをしたくなったことってありません?
次回のカウンセリングが待ち遠しくて、カウンセラーの方が指折りその日を待ってしまうこと、ありませんか?
とても気になりすぎて、カウンセリングの時間を延長してでも話を聞いてあげようとしたくなりませんか?
カウンセリングが終わったあとに話足りずに「お茶とかいかない?」って誘いたくなったことはありませんか?

こういうのって逆に距離を縮めすぎなんです。
もちろん、恋愛感情じゃないですよ、これ。

特に「もともと自分は母親や子供、パートナーとの距離が近くなりすぎる傾向にある」という方はご注意ください。
クライアントさんと会う回数が増えて距離が近づいてくると、そんな「特別なクライアントさん」となり、心理的に境界線を失う「癒着(共依存)」の状態になりやすいのです。

先ほど例に挙げたのはまだ「積極的に気になる人たち」だからまだ自覚しやすいんですね。
ところが、ややこしいのが「消極的に気になる人たち」なんです。

クレーマーとか、文句言い、でもでも星人、くれくれ星人たちです。
あなたが怒りと共に思い出す奴らです。

「あいつめぇ!こっちが一生懸命やってるのに『先生、もっとちゃんとやってください』だって!ほんま腹立つわ!」

「やたら馴れ馴れしくして来て気持ち悪いわ~。今度来たときはピシっと言わなきゃあのひとのためにならないわ」

「あんなにも周りの人に迷惑をかけてるのに素知らぬ顔して『私は悪くありません!』だって?いったいあの親はどんな教育をしたんだ?」

「やたらメールや電話をかけてきて鬱陶しいなあ。他の作業に差支えが出るじゃないか!」

「やたら、これしてくれ、あれしてくれ、ほんとうるさい。大人なんだから自分でやってくれよ」

まあ、これは皆さんの体験上からすれば可愛い方かもしれませんね(笑)

ネガティブな感情(怒り、罪悪感、無力感等)を刺激して、あなたの記憶に残る人たちは、あなたがその人を切ろうとしたり、逆に何とかしようとしたりすることで、より一層、あなたの関心を引くことになります。

そういう方々はたいてい「あなたの手に負えない人たち」だと思ってもいいんですね。
極論ですけど「切っちゃってもいいぞ!」という人たちです(笑)

あ、これ暴言ですね(笑)

そういう人がカウンセリング以外の時間で脳裏に浮かび、あなたの感情を突き動かし、そして、しばらくその人にあなたの時間が占領されるのであれば、すでに「癒着」が始まっていると思っていいでしょう。

「癒着」は心理学講座でもよくお話ししますが、まずはある呪文を唱えます。

「私は私、彼女は彼女。
 私の人生に彼女は関係ないし、彼女の人生に私は関係ない」

ただ、この癒着なんですが、そのクライアントさん以外にも、その人と同じタイプの人には同じことを繰り返してしまいがちなんです。
パターンって言います。心の癖、ですね。

そして、そのクライアントさんはあなたの人生で引っかかっている「誰か」を投影していることもよくあるんです。

だから、「その誰か」がラスボスであり、本丸なので、最終的にはその関係性を癒すのが一つの方向性となるんです。
ちょっと壮大な話になってきましたが。

ただ、そのラスボスの方に目を向け始めると、クライアントさんに対しての癒着は少しマシになります。

そして、私もそういうケースを相談されたことがあるのですが、その癒着ががっつりになってしまったら、カウンセラーとクライアントの関係を飛び越えてしまっているので、もう「切り離す」のが一番だと思うんです。

癒着するほどお互い繋がりが深い、と前向きな見方をしていたこともありますが、現実的にそれはしんどいし、あなたのエネルギーをつぎ込み過ぎることになるんですね。

だから、今の私の考え方としては、「カウンセリングの時間外にその人のことを考えて感情が動くようなことになれば、距離は近づきすぎているから、少し距離を取った方がいい」ということなのです。

Share on Facebook1Share on Google+0Tweet about this on Twitter