『分からないって言えますか?』

昔、電話でカウンセリングをしていた頃、こんな経験がありました。

「私、ボーダーなんです。だから、人とうまく付き合えなくて。ボーダーの人でも人とうまく付き合える方法ってあるんですか?」

ボーダー???

私の脳裏にはあのシマシマシャツが目に浮かびました。
何?あのボーダーを着ると人とうまく付き合えないのか?
んなわけないよな?

幸いだったのは目の前のパソコンがあったこと。
すぐにグーグル先生を呼び出して「ボーダー」と打ち込みました。

すると出て来たんです。

「境界性人格障害のことをボーダーと呼ぶ」と。

おぉ、そうか!そうなのか!
でも、またふと疑問が頭をよぎったんです。

「境界性人格障害って何?」って。
人との境界性が区別できない人のこと?
ん???

だからお手上げです。

「すいません。私、不勉強なものでボーダーの方の特徴ってよく知らないんです。教えてもらえますか?」

そしたら、クライアントさん。

「ええ?根本さんともあろう人が知らないんですか?ええーっとですね・・・私もうまく説明できるか分からないのですが、簡単に言うと感情のコントロールが全然できなくて、精神的にすごく不安定な人のことをボーダーって言うんです。」

確か、そんな説明をしてくださったと思います。

「ああ、それなら分かります分かります!そういう方はよくいらっしゃいますものね!ありがとうございます!でも、それが何で境界性って言うんですか?」

「いや、実は私もよく知らないんです。なんでなんでしょうね?」

「それは僕の宿題にしときますね。すいません。カウンセリング中に聞いちゃって」

そんなやり取りをしたと思います。
それで後で調べたら、 「境界性」というのは、「神経症」と「統合失調症」の境界にある(つまりはどっちとも言える)症状のことを指すそうです。

実は、似た経験は他にもありまして。

「私、負け犬なんです」
「私の彼、草食系男子で・・・」

え?何それ???

カウンセラーって意外と社会の流行に敏感になってしまう職業なんです(笑)
元々私、そんなにテレビ見ないですし、雑誌も見ないんですね。
だから、電車の中吊り広告とネットニュースで世の情勢を知るのですが、クライアントさんの方がまだニュースになる前に情報を持ってきてくれたりするんですね。

だから、カウンセラーなのに分からないことがいっぱいあるんです。

そうした社会的なこと、病気の分野については仕方がないにしても、心理学にしてもそうなんです。

僕は別に学位を持っているわけでも、持ちたいわけでもなく、また、専門的に勉強したと言っても専門用語はからきし苦手なんです。

ハローエフェクト(ハロー効果)くらいは知ってますけど・・・程度で、気軽に読める心理学用語辞典に出てくる言葉も知らない言葉の方が多いくらいなんです(笑)

それに心理学も幅広いでしょう?
NLPを学ばれたあるクライアントさんが「ラポールが、ラポールが」っておっしゃってたんですけど、やはり意味が分かりませんでした。
(信頼、信頼関係って意味ですよね?)

さらにはお客さんの心理。
僕は男なので、女性心理ははっきり言えば分かりません!
知ってることはあっても、分からないことばかりです。
だって男だもん(笑)

また自分に経験のないことはやはり想像はできてもその気持ちを本当に分かることって難しいですよね?

だから、それってどんな気持ちなんですか?
どうしてそうなっちゃうんだと思います?

などと質問したくなりますよね?

それで何かクライアントさんに尋ねられても「分かりません」って言えるのってすごい勇気だし、大切なことだと思うんですね。

分からないって認めることで謙虚になれますし(^^)

皆さんはどうでしょう?
分からないって素直に言えますか?

そう言えば、2月に開催したオープンカウンセリングセミナーで、僕がクライアントさんの質問に「うーん。分からないなあ。それってどういうこと?」ってふつうに返してるのを見て、参加されたカウンセラーさんが「根本さんでも分からないことがあるって知ってすごく救われました!」ってアンケートに書いてくれました。

分からないって言えるのも、自信の表れかもしれませんね。
それは分からないけれど、これは分かるよ、ってものを持っている証だから。

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